男は、若くて可愛い女のことが好きなのだ。これは生物学的な真理である。だから、鬱病治療中の私が週刊金融日記の恋愛工学と出会い、「ナンパ」という切り口を通じて、女性への関心を取り戻したことは、生物学的にとても理にかなっている。男という生物は、自分の遺伝子を拡散させて、自らの子孫を増やすことが生物としてプログラムされているので、若くて可愛い女の子に興味が無いわけが無い。鬱病の克服として、少しでも興味を持てることを始めるのは右治療に効果的だと思うが、それはゲームでも漫画でもスポーツでも何でも良いのだが、男性が一番しっくりくるのは女性に対する関心ではないだろうか。

 恋愛工学に出会ってからというものの、会社の昼休み中に散歩して回った。そして、すれ違う美女の目を見つめることに努めた。見つめ続けるのである。不思議なことに「美女の目を見つめることができた」という事実が、男としてのテンションを上げ、さらに、散歩して回るというウオーキング効果も精神的に良い影響をもたらした。そして、次第次第に、ゆっくりゆっくりとであるが、現実世界に対する意欲が戻ってきた。うつヌケの一場面を借りれば「思考に出来た寒天」が少しずつ消え始めた。

うつ病脱出マンガ「うつヌケ」を読んで
http://blog.livedoor.jp/atsshow/archives/12774748.html

 そして、ついに人生初のナンパをトライすることができた。これは、2017年冬の池袋だったと思う。友達と食事をした帰り道、路上で飲食店の客引きをしている20歳くらいの女の子だった。ナンパといっても、なんらたいしたことはない。ただ、スマホに表示されたグーグルマップを見せて、「ここに行きたいんですけど、どうすれば良いですか」と聞いただけだ。下(スマホの画面)を向いて、小声で、自信なさげにボソボソと話し、女の子の目も見れていなかったと思う。そして、緊張状態だったので正確に聞き取れたのか不安だが、その女の子から「わかりません」と言われた。これで終わりだ。ナンパというか、ただ声をかけただけだ。普通の道を聞くことと、大きく違うのは、「ナンパするぞ」と心の中で決めていたことだ。つまり、ナンパに挑戦したのだ。人生で初めて。鬱病治療中に。そして、声をかける前は、「やっぱりやめよう」と数え切れないほどの言い訳が身体中からわき上がってきた。言い訳の天才だ。こんなにクリエイティブな言い訳が出てくるなんて。それでも、この恐怖に向き合い、エイヤーという気持ちで声をかけた。結果は先に書いたとおりだが、この「トライした」という事実自体がもの凄い自分にとって自身になった。試行したのだ。

 それから、様々な街に出て行った。数時間街に滞在しては、一声かけもできず家に帰ることも何度もあった。その都度電車代と時間を浪費した。それでも、自分の出来る範囲でファッション、髪型をセットし、街に繰り出す。そして、声をかけようと近づき、恐怖にびびって諦める、という過程自体が自分を強くした。そして、本屋などのシチュエーションで、「英語の勉強しているんですか」と声をかけたり、繁華街できょろきょろしている女性に「道に迷ってます?」と声をかけたりなど、実際に行動を起こした。結局、何か成果に結びついたわけではないのだが、自分自身に自信となって返ってきた。そして、そこでハッキリと気づいた。「試行」こそが自信を取り戻す鍵だと。

 そして、僕は今もナンパを行っている。ストリートナンパ、クラブナンパ、ネットナンパ、ステルスナンパとあらゆるナンパを行い、出会いエンジンの最大化を図っている。僕の尊敬するケーゴさんが金融日記に書いた記事だが、成功は以下の方程式で表されると思う。


 成功 = 試行回数 × 試行回数 × 才能


週刊金融日記 263 やり抜く力 GRIT ~成功は試行回数の2乗に比例する
https://note.mu/kazu_fujisawa/n/n647a2536d7d4

 正直、僕には、才能なんてこれっぽちもないと思う。仕事の才能も無いし、人間関係を構築する才能も無い。ましては、美女を口説くなんて、限り無くゼロに近い才能だと思う。

 ではどうすれば成功に結びつくのか。それは「試行回数」を徹底的に積み重ねていくしか無い。つまり、トライしまくるしかないんだ。トライして、基本ほとんど失敗するんだが、なぜ失敗したのか、次はどうすれば良いのか考える。新しいアイデアが思いついたらそれをまた試してみる。この繰り返し。この繰り返しを行うことで、僕は地蔵(ナンパ用語。声をかけようと思っても、びびって声をかけられない状態)になることがかなり減ってきた。試行が自信を呼び、自信が恐怖に打ち勝つからだ。

 それでも失敗するのは怖い。でも、失敗は必要なんだ。失敗は成功までのプロセスの一部だから。そうして、行動を繰り返していると、あらゆる日常にポジティブな影響を与え出す。より魅力的な男になるために、筋トレを欠かさず行っている。話し方、声の抑揚、姿勢、あらゆることを意識している。そして、「僕なんかが声かけて良いのだろうか」というマインドセットから、「俺は良い男だ。俺は女を喜ばせるために声をかける」というマインドセットにリ・フレーミングが起こる。フレームとは物事の認知のことだ。認知行動療法を学ぶと、事象  認知  感情・反応 との方程式から、正しい認知を持つことが重要になってくる。なぜなら、認知がゆがんでいると、ポジティブなことをネガティブにとらえてしまい、それが胸部圧迫感等の身体症状を生み出してきた。つまり、この認知が正しい(善悪で正しいというよりも、最も鬱から遠ざかる認知)のであれば、鬱病のリターンの予防になる。すなわち、認知をフレームに置き換えれば、フレームを強く持つということは、鬱病予防にもなるのだ。



 事象  認知(フレーム)  感情・反応

認知療法・認知行動療法の実践 ~ 定義編 ~
http://blog.livedoor.jp/atsshow/archives/10603896.html

 そう考えると、ナンパというのは極めて有能な鬱病治療手段である。男性という生物的に理にかなった行動であるし、試行・チャレンジすることによる自分への自信の回復になる。また、自分の魅力を上げるために筋トレすることでストレス解消にもなり、更に美女とゴール(まだゴールできていないが)できる可能性もある。なんといっても、ナンパは無料だ。お金が一切かからない。最高にエキサイティングな無料ゲームだ。

 ナンパや食事(アポイントメント)に関するテクニックや知識は、金融日記がありとあらゆる知識を共有してくれる。あとはそれを踏まえて試行(行動)していくだけだ。俺は必ず芸術的なゴールを生み出す。確実に自分自身が高まっている。言い訳なんかもう必要無い。なぜなら、ナンパできたからだ。鬱病であれだけしんどくて死にそうだったのに、ここまで自分を戻すことができた。かなりクレイジーな偉業を達成している。あとは、愚直に試行回数を増やすだけ。なぜなら、才能の無い自分には、試行回数を増やすことしかできないのだから。