先日、東京にて、高校時代の初恋の人とのアポに臨んだ。結果は、セックストライを発動せずに解散。恋愛工学を学ぶ者として、打席に立ったのにバットを振らないという非合理的な行動をとった。どうしても、初恋の彼女には、バットを振れなかったのだ。



【物語】
俺と彼女の物語を書こうと思う。

出会いは高校2年生の時。彼女はクラスメイト。リルラリルハの時の木村カエラみたいな外見で、とても可愛いい彼女に恋をした。


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このときの俺は超非モテ童貞だっのは言うまでもない。


彼女とは自然と、少しずつ話すようになった。女の子と会話するのは人生初だったので、フレンドシップ戦略の限りを尽くし、高校二年生の冬に告白してフラれた。その後もいつか彼女になってくれることを夢見て、受験勉強を教えたり(わざわざ彼女の志望校の赤本を俺が買って、傾向と対策を教えたり(笑))、フレンドシップ戦略を継続しつつ、高校を卒業した。



大学は別々だったが、俺は彼女のことを思い続けた。何度も夢に出てくる。そして、1年に一回くらい会った。二人で和民や白木屋に行ったりした。とても幸せな時間だった。こうして、会う回数を増やしていけば、いつか彼女になってくれるのではというフレンドシップ戦略の極みだった。



社会人になっても1年に一回会うのは続く。次第に、表参道でデートするようになったり、少しいい感じのお店に行ったりした。しかし、フレンドシップ戦略。手をつなぐことさえない。非モテコミットの限りを尽くす。1年に一回会って、その後長文のメールを送るのが定番だった。



俺が結婚したあとも、子供が生まれた後も、こんな感じで会い続けた。そして、恋愛工学に出会い、自分が彼女にし続けて来たことの意味を知る。「フレンドシップ戦略と非モテコミット」。そして、ナンパを始め、ゴールし、僕のマインドセットが上書きされていった。



【アポ】
今回、彼女とのアポを設定した。俺は、彼女が大切な人だからこそ、彼女に喜んでもらいたいからこそ、セックスして素敵な時間を分かち合うのは当然だと思っていたし、そのために万端の準備をした。


19:00 スペインバル

渋谷のスタバ前で待ち合わせ。新規の女の子とのアポの時のように、堂々と接する。横並びのカウンター席。スパークリングワインでカンパイ。お互いがお互いのことを知りすぎているので、友達のフレームを外すためにも、Aフェーズを意識しつつ、適度にディスりつつ会話を進める。いろんなルーティンを使う。


途中から、Cフェーズを意識しつつ、ミラーリング、バックトラック、ペーシング、コールドリーディング、笑ったときに肩を叩く、手に触れる。ひたすら共感と同意。俺はうまく試合を運んでいる手応えを得ていた。


彼女は昔からお酒を良く飲む子だ。彼女のペースに巻き込まれ、深くにも少し酔っ払ってしまった。そこで彼女からのこの言葉。


「なんか、ちょっと可愛くなったねとかサラッと言ってくれたけど、無理してない?そんな人だったっけ?」


崩れた。


15年間彼女に非モテコミットし続けた自分を、必死で必死で押さえてアポに臨んでいたが、彼女のこの一言とお酒による集中力の欠如で、崩れた。


ここから、非モテ100%の誠実系の本音トークになってしまった。15年間ずっと忘れられなかったこと、なぜ年に一回誘っていたのか、君を落としたいらこういう会話の進め方をしたこと、告白した時のこと、などなど。俺がほとんど喋った。


彼女は笑っていた。



21:30 二軒目のバー


バーまでは恋人つなぎで向かう。レガートでさらに非モテ100%の自分の言葉で彼女への思いを伝える。彼女は俺の気持ちを聞いて「ありがとう」と言った。



22:30 セックストライせず


事前のロジの下見で、ここでキストライをして、そのままラブホテルに連れて行く段取りだった。しかし、俺はキストライできなかった。ナンパの子ならいつものようにキストライするだろう。


しかし、彼女は15年間非モテコミットし続けた自分にとって、特別過ぎて、どうしてもセックスへ歩を進めるトライができなかった。
「彼女が大切な人だからこそ、彼女に喜んでもらいたいからこそ、セックスして素敵な時間を分かち合うのは当然だ」というマインドセットを準備して臨んだのだが、非モテ100%のセンチメンタルな慕情を身体が覚えており、トライできなかった。


そのまま駅の改札まで見送って解散した。



【今生の別れ】
駅の改札で、「なんか今生の別れみたいな顔してるね」と彼女は言った。


残酷だが、セックストライを俺ができない以上、彼女に自分の時間とお金を費やすことはもうこの先できないのだ。セックスしない女と会う意味がない。


俺は、一番経済合理的なのは、彼女ともう会わないことだと理解してしまっていた。今生の別れの表情だったのだろう。あれだけマインドセットやロジを準備しても、非モテの自分を押さえ切れなかった。俺の人生の中の、非モテのシンボルとして、彼女は俺の記憶に残るのだと思う。


彼女から、「今日はありがとう」とラインが来ていたが、それに既読を付けることなく、俺は彼女のラインアカウントを非表示にした。



15年間の非モテコミットは、こうして幕を閉じた。