2019年12月。



彼女とは、マッチングアプリで連絡先を交換してから3ヶ月以上が経っていた。



彼女は大手企業で経理の仕事をしている20代半ばの女性。バリュエーションはBクラス。



何度がお茶(面接)の約束をしたのだが、こちらの仕事の都合で3回程度ドタキャンしてしまった。






しかし、それでも彼女とのやり取りは途絶えず、年末に面接が実現した。いつものいきつけのスターバックスコーヒー。


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面接では、いつものように、決まりきったトークを展開していく。面接で聞かれることはほとんど同じであり、それに対する答えは自分の中で持ち合わせている。




面接を終える度に、もう少し言い回しを変えてみよう、これでは相手にちゃんと刺さらないな、発言が少し自慢になってしまってるな、など反省を重ねながら、回答の推敲を重ねている。PDCAである。


今は決して優れたプレイヤーではないし、不安になったり悲観的になることもあるが、努力して成長していきたいと思っている。だからこそ、PDCAを回すのだ。





さて、彼女は過去の恋愛でいろいろ辛いことを経験してきたようだが、それを笑い話として話す前向きな姿勢に、俺は好感を持った。







面接を通過した彼女と、一週間後、いつもの時間にいつものイタリアンレストランでアポをした。



当日の自分のコンディションは悪くなかったと思う。



しかし、思いの外、店内が空いていて、静か過ぎて会話が店員に聞かれていることが変に気になってしまう。俺は周りの目が気になってしまう性格なので、少しベータ化してしまった。いつも来ている店だからなおさらだろう。



自意識過剰になってしまうのは、ベータに入っている証拠。仕事でも、恋愛でも、周りの目が気になってしまう状態は良くない。言動に自信がなくなる。







そんな中、ビールでキックオフ。
彼女はフードをたくさんオーダーした。




俺の今までの経験からすると、女性はバリュエーションが高くなればなるほど、アポの際に量を食べるようなことはしない。


逆に、女性のバリュエーションが低くなればなるほど、締めでごはんもの食べませんか、もう少しオーダーしませんかと言ってくる。お酒も良く飲む。


俺は、夜はあまり食べないということで、アポ代を節約している。朝と昼にしっかり食べていると伝える、チバさんのルーティンである。





アポ中盤に、一緒に海外旅行やディズニーシーに行く未来トーク、そして、面接後の女性に対する「これからよろしくね」ルーティン、決して容姿を褒めるようなことはせずに「俺は君の考え方が好き」という共感トークを展開する。場が前向きになるような言葉を投げかける。



彼女はデザートにプリンを一つ頼んだ。一緒のスプーンを共有しても彼女は嫌がらない。パッシブ脈アリサインだ。





気がつけばアポ開始から1時間半。





世の中には、女性が会計前にトイレに行き、その間に会計を済ませておく男がスマートというプロパガンダが溢れている。



俺も昔はそうだった。女性がトイレに行ったタイミングでクレジットカードを出す。そして、予定調和の「お会計は?」「いいよ、いいよ」「ありがとうございます」というやり取りを重ねてきた。


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今は違う。





必ず女性がいる前で会計をする。そして、女性の動きを観察する。


彼女はおごってもらって当たり前というような高飛車な空気になっていないか、財布を出す素振りはしているか、「私はいくら出せばいいですか?」と聞いてくるか。


俺が女の子をスクリーニングしているのだ。俺は目を光らせる。


彼女は自分から半分出してきた、とても好感が持てた。






店を出る。ハンドテスト成功。
あとはいつものようにフェーズシフトである。




この瞬間はいつも緊張する。それは、相手のクラスに関わらずだ。


CフェーズからSフェーズに映るには、勇気を出して打診しなければならない。


しかし、ここで打診できなければ、ゴールできることは決してない。




「これからどこ行くんですか?」と言われ、俺は、少しベータメイル的な誘い方をしてしまった。


「もう少しゆっくりしたい。ホテルいこっか。」


「え?」


「ゲームしようよ。スイッチとかあるだろうから、スプラトゥーンとかマリオカートとかやろ。あと、カラオケもあると思うし。変なことしない、もう少しゆっくりしよ。」


何が問題かというと、当然意識を保てていなかったことが問題だ。


絶対に打診が成功するファビュラスな魔法のワードなんか存在しない。


当然意識で、誘って当たり前のマインドで、彼女をホテルや家に誘うだけだ。

言い訳は作ってあげる必要はあるが、こちらのノンバーバルはいつだって強気でなくてはならない。


気持ちをいつだって強く持て。


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ホテルIn




しかし、彼女は警戒していた。




「お店からホテルまで近すぎないですか?いつもこんな風に女の子を誘っているんですか?」




俺はソファーに堂々とレイドバックし、「んなわけないじゃん」と伝える。ここは自信を持って回答したことが重要。「たまたまだよ」と答えてもいいし、無言でも良い。大切なのは自信を持っていることである。




「なんか慣れてますね。怖いです。」




Cフェーズが仕上ってなかったのだろうか。恐怖心を抱かせてしまったし、Sフェーズの攻防は苦戦するだろうなと思った。


その後、彼女からさまざまなグダが出る。
そのやりとりをして、時間が過ぎていく。




俺は、



「もういいよ、帰ろ。信用してないんでしょ。」




というぶち壊しルーティンを投下した。
コートを取って帰る仕草をする。



ここで彼女が、「え?帰ってしまうの?」という表情になった。女の子の顔だ。


ぶち壊しルーティンは相手の感情を揺さぶるのに効果的だなと思った。



グダ攻防で時間を浪費するよりも、端的に自分の時間を守るという観点からも良かった。

ここで解散して二度と会わないか、俺とセックスするかの2択の意思決定を相手に投げることができる。



そして、俺は生TCを投入し、目を見てストレートに「抱きたい」と伝える。


最後に彼女から、「まだ私達付き合ってないですよね」と言われた。




俺は、熱弁する。



エッチもしてないのに相手のことわかんない。付き合ってみて、俺がめっちゃ乱暴なセックスするやつだったらどうする?反対に、エッチに全然興味ありません的な後ろ向きな女の子だったら俺は嫌だよ。俺はエッチする前に付き合うなんてあり得ない。


俺は彼女に浮気されたことあるし、付き合うっていう、口約束に何の意味もないと思ってる。彼女も恋人も友達もない。なつみはなつみ、ゆきはゆき、みえはみえ、かなこはかなこ(名前は適当です)。ラベルを貼るつもりはない。


一緒にいたい相手と一緒にいて、一緒に美味しいご飯を食べたり、お互いを尊重してエッチししたりする、そんな関係が最高に素敵だと思う。違うかな?




当然意識でこう伝えた。


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彼女は俺に身を預けてきた。





●今回の学び
(1)ぶち壊しルーティンの投下
ファインプレーだったと思う。相手にここでセックスしなかったら、もう俺はお前と合わないという勇気を示すことになり、相手に難しい判断を迫らせることになるし、何よりも大切な時間の節約になる。

(2)Cフェーズを深く潜ることができた
過去にトラウマになるようなことがあっても前向きなコメントをする彼女。レストランでは、そういう風に考えられるところは素敵だねと肯定しつつも、本当はめっちゃしんどくてもうだめだって思うときあるよね、とホテルでは肩をマッサージしながらコールドリーディングしたことで、一気にCフェーズの深いところにもぐれた。

(3)建前と雌豚への同時アプローチ
グダが強かったが、目を見て情熱的なトーンで「抱きたい」と伝えつつ、恥ずかしがらずに生TCをさせ、視覚的にも触覚的にも彼女の両方の脳をハックできたと思う。

(4)付き合う・付き合わないに対する価値観の伝達
エッチする前に付き合うとかあり得ないというスタンスを堂々と言えたのは進歩。

(5)当然意識の重要性
ホテル打診するときは言い訳がましかったのが反省点。相手がもっとレベル高い相手だったら、見限られてる。堂々と言うこと。もう少し一緒にいたいだけだし、嫌がることはしないよ。子供じゃないんだから、嫌なことは嫌って言えるでしょ?と堂々と伝え、来ないならストップロスするだけである。

(6)割り勘
今までは自分が全額出すことが多かったが、スクリーニングという意味でも会計時の彼女の様子を堂々と観察し、堂々と割り勘を要求することが、女性を選ぶ観点からも、予算を節約する観点からも良いと思った。






新規アポからは学ぶことがたくさんある。



いつでも新しい挑戦をやめることなく、守りに入ることなく、現実的な努力していきたい。



さぁ、街に出よう!