今回は、鬱に効く本として、堀江貴文さんの『ゼロ』を紹介したい。







堀江貴文さんのことを知らない人はいないだろう。ライブドアの元代表取締役CEOで、 2004年から2005年にかけて近鉄バッファローズや日本放送の買収、それから衆議院議員総選挙への立候補など、毎日ニュースに登場し、既得権益に切り込む姿が注目され、時代の寵児と呼ばれた存在だ。


堀江さんのメディアへの露出が、良い大学に入って大手企業に就職することが社会的な成功だという価値観を持っていた若者たちに、「起業」という新たな価値観を与えた。Dragon AshがViva la revolutionで日本の音楽シーンにHIP HOPを持ち込んだように。


堀江さんは33歳の時に証券取引法違反で逮捕され、2011年6月に収監されて服役をした。その後2013年3月に釈放され、釈放後に初めて世の中にリリースした著作が本書である。



おそらく多くの人が、堀江貴文さんといえばあの「ホリエモン」、というイメージがあって、とにかくお金を稼ぐのが全ての成金のようなイメージを当時は持っていたと思う。恥ずかしながら、俺もそうだった。




そんな堀江さんのイメージを新たにしたのが2013年に読んだこの本だ。



堀江さんは福岡県の田舎に生まれた普通の男の子だった。特殊な生い立ちでもない。資産家の息子というわけでもなく、英才教育を受けたわけでもない。


ただ、小さな小さな努力を積み重ねて、現実的な努力を積み重ねて、一歩を踏み出し続けて、今の堀江貴文という存在になったのだ。場面場面で、堀江さんのチャレンジを後押ししてくれる恩師等の理解者に恵まれたのも大きいだろう。



この本を読めば、堀江さんは俺たちと同じ普通の人間だということがわかる、堀江さんを身近に感じられる本なのだ。ただ、ゼロにイチを足し続けられるかどうか、自分の気持ちに正直に素直に生き続けられるかどうか、「堀江貴文になれるかどうか」は、その違いだと思った。


『ゼロ』を読んだことがある人で、いまいちピンときていない人、こんなこと堀江さんだからできるんでしょとか言っている人は、おそらく主体的に人生を生きた経験値が不足していると思う。自分の勇気で、一歩踏み出して具体的に行動したことがある人は、大きく共感できる本だろう。





さて、この本を細かく紹介してしまうと非常に長くなってしまうので、今回は本の中から一部のパートをピックアップしたいと思う。




●第2章「仕事選び自分を選ぶ:僕は全くモテなかった」



堀江さんは女の子に全然モテなかったと言う。超絶非モテで、女の子に声をかけようとした途端に全身が固まってしまう、喉の奥がぎゅーっと詰まり声が出なくなる、そんな「ど地蔵男子」だったらしい。


常に女の子に対してキョドっていて、女の子とまともに目を見て話す話すことができない、何を話せばいいのかわからない。


堀江さん曰く、女の子と普通に接することができるようになったのは30代の中盤になってから、とのことである。男として、これはすごい告白だ。


ただ、堀江さんは、女の子と話すことに対して怖気づいていたものの、営業とか交渉ごとではあたふたすることはなかった。原因は、女の子を前にした時の自信の無さの問題であり、自信を作るための経験が圧倒的に不足していたことと述べている。


仕事でも人生でも異性関係でも、キョドってしまうのは性格の問題ではなくて、それからルックスや学歴や収入や社会的地位も関係なくて、ひとえに経験の問題だと語る。


そして経験とは、「自分が足を踏み出した歩数によってカウントされていく」このように断言している。


そんな堀江さんを大きく変えたのが大学時代に友達に誘われて経験したヒッチハイクの旅だと言う。


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サービスエリアとかパーキングエリアの中でドライバーに片っ端から声をかけて次の目的地まで乗せて行ってくださいと声をかける。



そうすると10台に1台は乗せてくれるそうだ。どんなに不運が続いても30台に声をかければ一台は乗せてもらえるらしい。



1回目から乗せてもらえることはほとんどないが、何度もアタックすれば10人目か20人目で乗せてもらえるとのこと。これはピックアップと同じである。



モテ = ヒットレシオ × 試行回数



スタティスティカルアービトラージの法則と一緒で、確率がゼロでない以上は試行回数を重ねていけば必ず乗せてもらえることになる。諦めさえしなければ。


「僕にもこんなに大胆なことができるんだ」という、初めて成功した時の小さな達成感が堀江さんのマインドセットを大きく消えた。


ヒッチハイクによる小さな成功体験を積み重ねることで、コンプレックスだらけの自分自身に自信を持たれて、前向きになり、臆することなく仕事を進めていくことができたとのことである。



これはピックアップも同じで、確率がゼロではない以上は、女の子に声をかけ続ければ必ず連絡先は交換できるし、繰り返していけば必ずゴールすることができる。それは俺自身も自分自身の実体験を通して学んでいるし、心の芯から確信している。だから、コロナの完全自粛期間で、全くゴールしていなくても、モテに対する焦りはない。



そしてすごい緊張していて、もうやめようと思っている中で、勇気を出して一歩を踏み出したこと、そして連絡先を交換して、「俺にもこんなことができちゃうんだ」と達成感を感じること、こうした小さな小さな成功の積み重ねが、また、声をかけようかなやめようかなと悩みながらも行動するという小さな一歩の積み重ねによって、自己肯定感が高まっていったし、自分に対して自信がついてきた。


試行そのものが鬱病を治療する(ナンパによる鬱病治療)


でも誰だって、いきなりヒッチハイクやピックアップができるわけではないだろう。



ではどうすればできるようになるのか。これは堀江さんは向上心とか目的意識とかそういう難しい言葉は避け、単に「人としてのノリの良さ」「 挑戦を支えるノリの良さ」が大事だと言う。



少しでも面白そうだなと思ったら躊躇せずに飛び込んでみる。別に成功するか失敗するからって関係ない。それがどれだけチャンスなのかなんて最初は関係ない。面白そうだなやってみよう といった小さなチャレンジノリの良さというものが大事だ。


別にピックアップとかヒッチハイクとかではなくて、例えば筋トレでもいいし、英語の勉強でもいいし、何でもいいと思う。


何かやってみようかなと思ったらとりあえず一歩踏み出して行ってみること。そして一歩踏み出せた自分に対して自分が自分を認めてあげること。それが成果につながったら小さな達成感を得ること。


その繰り返しがやはり自信になってくなと思うし、ゼロに小さなイチを足していく、一歩を踏み出し続けるということが前向きに生きる意味でもとても大事になるんじゃないかと思う。


堀江貴文さんのゼロの表紙に、「なにもない自分に小さなイチを足していく」という風に書いてある。


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俺がこれに心から気づけたのは40代になってからだった。もっと早く気づいていればと思うこともたくさんあるが、人生今が一番若いし、時間は戻らない。これからどうするか、を考えていくしかない。


ナンパしてセックスができたとかそういうのもとても大事なことだと思うが、何よりも、自分自身の今までの経験とか行動を通して揺るぎない自信を得ることの方がはるかに大事だ。



そして、これから俺がしたいことは、多くの人を勇気づけること、多くの人を自信づけるような、存在になることだ。


そして、仲間たちからも自分自身が勇気づけられて、お互いが有機的に繋がるような、そういった共同体感覚のある人間関係・社会関係を自分は目指していきたいなと思う。